2025.10.29

沖縄の郷土料理大全!伝統の味と文化を徹底解説!

沖縄の郷土料理大全!伝統の味と文化を徹底解説!

沖縄には、琉球王国時代から受け継がれる伝統の味が数多く残っています。豚肉料理を中心に、海の幸・島野菜・発酵食品などを組み合わせた独自の食文化は、「長寿食」としても全国から注目されてきました。

そんな沖縄の郷土料理を一度でも食べたことのある観光客の方や地元の方の多くがまた食べたい、他にはどんな郷土料理があるの?と思った事があるはずです。

本記事では、そんな沖縄の郷土料理が気になっている方に向けて沖縄の郷土料理の特徴・代表的なメニュー・おすすめ店舗などを詳しく紹介していきます。沖縄で食事をする機会が出来た際に食べたい郷土料理を見つけておきましょう!

沖縄の郷土料理の歴史と文化的背景を紹介!

沖縄の郷土料理は、琉球王国時代の交易と独自の気候風土によって発展しました。
古くは中国や日本、東南アジアとの交易で多くの食材や調理法が伝わり、宮廷料理と庶民の食文化が並行して育まれました。特に中国から伝わった豚肉文化は「鳴き声以外は全て食べる」と言われるほど根づき、現在も多くの郷土料理に受け継がれています。

温暖な気候と台風の多い環境では、保存食や発酵食品も発達しました。
昆布やかつお節などを組み合わせた出汁文化は、日本の影響を受けながらも沖縄独自の旨味を生み出しています。
ほかにも、島豆腐や味噌、黒糖などの地元食材は、健康的で長寿につながる「医食同源」の考え方とも深く結びついていたり、祝い事や行事の意味合いのある食事としても用いられることがあります。

このように、沖縄の食文化は単なる料理ではなく、人々の生活や祈り、家族の絆を象徴する大切な文化として今も息づいています。

代表的な沖縄の郷土料理を紹介!

沖縄の郷土料理は、豚肉・島野菜・海産物を中心に、地域の風土や行事と深く結びついて発展してきました。ここでは、そんな郷土料理の内から沖縄を代表する郷土料理を紹介していきます。

沖縄そば

沖縄そば

沖縄そばとは、そばと名が付きますがそば粉を一切使わないラーメンや日本のそばとは全く異なる郷土料理となっています。もちもちとした中太のストレート麺に、豚骨・かつお節・昆布をあわせた沖縄の郷土料理です。

沖縄そばは、600年前の琉球王国時代に中国との貿易にて小麦文化が伝わり広まっていきました。その後の戦後には、米軍統治下で各家庭や食堂で親しまれる国民食となり、1978年には沖縄そばとして商標登録された県民に親しまれるソウルフードとして根づいています。

味と特徴

・スープ: 豚骨ベースにカツオや昆布を加えたダシ。あっさりながら深い旨味。
・麺: 小麦粉100%。かんすいを使い、弾力のある食感が特徴。
・具材: ソーキ(骨付き豚肉)、三枚肉、かまぼこ、紅しょうが、ネギなど。
・味付け: 醤油・塩・泡盛・黒糖を使い、優しい甘みがある。

ラフテー

ラフテー

ラフテーは、皮付きの豚三枚肉を泡盛と黒糖、醤油でじっくり煮込んだ沖縄の郷土料理です。とろけるような食感と深い甘辛い味わいが特徴で、現在では家庭料理から高級料亭まで幅広く親しまれています。

ルーツは琉球王国時代の宮廷料理「東坡肉(トンポーロー)」から来ており、中国との貿易で伝わった豚の角煮が、泡盛や黒糖を用いて現在のラフテーへと発展し現代までもお祝い料理として定着しています。

味と特徴

・食感: 長時間煮込むことで脂がとろけ、口の中でほぐれる柔らかさ。
・味付け: 泡盛と黒糖の甘み、醤油の塩味、豚肉の旨味が絶妙に調和。
・見た目: 照りのある飴色の煮汁が特徴で、見た目にも美しい。
・相性: 沖縄そばの具や、泡盛のつまみとしても人気。

ジューシー

ジューシー

ジューシーとは、豚肉や野菜、昆布などを一緒に炊きこんだ沖縄の炊き込みご飯です。名前の由来が汁気が多い=ジューシーとなっている程に旨味のしみた柔らかいご飯が特徴となっています。

ジューシーも琉球王国時代から伝わるおもてなし料理で、豚肉の出汁を無駄なく使う為の料理でしたが現在も変わらず豚を余さず使う文化が反映されています。現代では沖縄そばと一緒に提供するお店が多く相性バッチリです!

味と特徴

・豚肉のだしと昆布の旨味がしみ込んだ、しっとりとしたご飯。
・にんじんやひじき、しいたけなど具材が豊富で、栄養バランスも良い。
・優しい味わいで、どんなおかずにも合う万能料理。

中身汁

中身汁

中身汁は、豚の内臓を丁寧に下処理し、かつお出汁で煮込んだ澄んだ汁物です。沖縄で祝いの席といえば中身汁が毎回出てくるほど定着しておりクセのない上品な味わいが人気となっています。

琉球王国時代から豚を余すことなく使う文化が確立し、現在も晴れの日料理として外せない1品です。最近では小中の給食でも出るようになり年齢関係なく愛されている一品となっています。

味と特徴

スープ: かつおだしをベースにした透明な汁。旨味がありながら脂っこくない。
具材: 豚の胃・腸など(中身)、しいたけ、こんにゃく、かまぼこなど。
味付け: 塩・醤油・酒などであっさりと仕上げる。
食感: 柔らかく煮込まれた中身と、かつお風味のさっぱりとした口当たり。

いなむどぅち

いなむどぅち

いなむどぅちは沖縄の祝い事に欠かせない伝統的な白味噌仕立ての汁物です。豚肉・こんにゃく・しいたけ・かまぼこを白味噌で煮込んだ郷土料理で、豚の旨味と白味噌のまろやかさが合わさり学校の給食で子供たちに人気があります。

元々いなむどぅちはイノシシもどきが語源であり昔はイノシシ肉が手に入りにくく代用品として豚肉を使ったのが理由となっています。

味と特徴

スープ: 白味噌をベースに、豚だしやかつおだしでまろやかに仕上げる。
具材: 豚肉、こんにゃく、しいたけ、かまぼこ、厚揚げなど。
味わい: 甘口でコクがあり、味噌の香りと豚の旨味が絶妙。
食感: 多彩な具材の食感が楽しく、食べ応えもある。

ゴーヤーチャンプルー

ゴーヤーチャンプルー

ゴーヤーチャンプルーは、ゴーヤーを中心に豆腐、卵、豚肉、などを炒めた沖縄の代表的な家庭料理です。チャンプルーがごちゃまぜにするという意味で、その通りに自分なりの食材も炒め合わせる事が可能でアレンジがしやすくなっています。

戦前から沖縄の気候に合った野菜として栄養価や保存性の高さが食卓で重宝され時代と共に多くのチャンプルーへと進化を遂げています。家庭では家に残った食材も合わせて1品を作り上げることもできるとして定番化もしています。

味と特徴

味わい: ゴーヤーの程よい苦味と豚肉・卵・豆腐の旨味が絶妙に調和。
食感: シャキシャキしたゴーヤーと、ふんわり卵、しっかりした島豆腐のコントラスト。
味付け: 塩・醤油・かつおだし・ツナ缶などシンプルながら奥深い。
香り: 炒めることで苦味がほどよくやわらぎ、香ばしい風味が広がる。

テビチ

テビチ

テビチは豚の足を柔らかく煮込んだ健康的な豚肉料理です。コラーゲンが豊富に含まれておりプルプルとした食感と醤油や泡盛、砂糖で濃厚ながら上品な味わいが特徴となっています。

古くからの豚は声以外余さず全て食べる文化から食べられ、祝い事から特別な家庭料理としても親しまれています。またおでんなどの鍋にもおかずとして入るほど食べやすい味なのもよい点ですね!

味と特徴

食感: プルプルでトロトロ。煮崩れない程度に煮込まれた弾力のあるゼラチン質。
味わい: 泡盛・黒糖・醤油などを使った甘辛い味付けで、深いコクと香りが特徴。
スープ系 vs 煮付け系: 澄んだだし汁で煮る「テビチ汁」と、濃い味で煮詰める「煮付け(にーぶい)」の2種類がある。

ジーマーミ豆腐

ジーマーミ豆腐

ジーマーミ豆腐は、ピーナッツを原料にした沖縄独自の豆腐料理です。もっちり、ねっとりとした食感と、ほんのりした甘さ・香ばしさが前菜にもデザートにもなる万能な郷土料理となっています。

琉球王国時代の宮廷料理として伝わり豆腐で用いられる大豆がとれなかったためピーナッツを素材として作られるようになったとされています。

味と特徴

味わい: ピーナッツの濃厚な風味と、ほんのりした甘み。
食感: 弾力がありながらもなめらかで、もちっとした口当たり。
香り: 香ばしいナッツの香りが広がる。
食べ方: 冷やして生姜醤油や甘辛タレをかけて食べるのが一般的。

サーターアンダギー

サーターアンダギー

サーターアンダギーは、小麦粉・卵・砂糖を混ぜて丸く揚げた伝統的な揚げ菓子です。
外はカリッと香ばしく、中はふんわりしっとりとした食感で素朴な甘さが世代を問わず愛されています。

中国の「開口笑(カイコウシャオ)」が伝わり琉球王国時代の宮廷料理として用いられ現在は家庭のおやつとして定番となっています。スーパーなどで自宅で簡単に作れるサーターアンダギーミックスという粉も売っているので気軽に作ることができます!

味と特徴

外側: サクッと香ばしい食感。
内側: ふんわり・しっとりした素朴な甘み。
味わい: シンプルながらどこか懐かしく、食べ飽きない優しさ。
香り: 揚げたての香ばしい香りと卵の風味が広がる。

ムーチー

ムーチー

ムーチーは、月桃(げっとう)の葉で包んだ餅菓子で、旧暦12月8日に健康や長寿を願って食べる沖縄の伝統行事食です。餅粉に黒糖や紅芋を混ぜて練り、月桃の香りとともに蒸し上げるのが特徴であり香ばしくて優しい甘さが人気となっています。

由来としては鬼餅とも書かれており古くから魔除け・厄払いの意味を持つ食べ物として歌や劇に物語など意味合いの強いデザートとして扱われています。

味と特徴

味わい: 黒糖の自然な甘みと月桃の爽やかな香りが調和。
食感: もちもちして弾力があり、蒸したては特に柔らかい。
香り: 月桃の葉から立ち上るほのかなハーブの香りが特徴。

タームデンガク

田芋デンガク

タームデンガクは、沖縄特産の田芋(ターンム)を使った甘いデザートでお祝いの席や正月料理に欠かせない伝統料理です。香ばしく、優しいアマミが広がる味わいで、子供から年配の方まで親しまれています。

琉球王国時代に、中国から伝わった味噌田楽をもとに、沖縄で栽培されていた田芋を使ってアレンジされており、連なるように実をつける田芋を連想し子孫繁栄の象徴としてお祝いの場でだされます。

味と特徴

味わい: 甘味噌の濃厚な味と田芋の自然な甘みが絶妙にマッチ。
食感: ねっとり・もっちりとした舌触り。
香り: 焼き味噌の香ばしさと芋の甘い香りが広がる。
見た目: つやのある味噌ダレと黄金色の焼き目が華やかで、祝い料理にふさわしい彩り。

ヒージャー汁

ヒージャー汁

ヒージャー汁は、沖縄の方言で山羊で、その山羊肉を煮込んだ沖縄の伝統的な汁料理です。山羊の骨付き肉を長時間煮込み、味噌や塩で味付けした濃厚スープがスタミナ食として特別な日のみで食べるごちそうとなっています。

古くから山羊は神に捧げる動物として、結婚・出産・新築・祭祀など、人生の節目を祝う儀式料理としても食されてきました。また、山羊特有の味が体力を回復させる滋養食として、農作業の後や病後の回復期にも振る舞われます。

味と特徴

スープ: 山羊の骨と肉から出る濃厚な旨味と独特の香りが特徴。
味付け: 味噌仕立てまたは塩仕立て。ショウガやフーチバー(よもぎ)を加えて臭みを抑える。
香り: 山羊特有の強い香りがあり、“好き嫌いが分かれる”が“ハマる人はとことん好き”という沖縄ならではの味。
食感: 肉は弾力があり、煮込むほど柔らかく旨味が増す。

まとめ

沖縄の郷土料理は、歴史や風土、人々の暮らしが生み出した宝物です。豚肉料理や島野菜、海の幸、そして発酵食品など、自然と知恵が調和した食文化が息づいています。祝い事には中身汁やいなむどぅち、日常にはチャンプルーやジューシーが並び、家庭ごとに受け継がれてきた味が今も大切に守られています。

どの料理にも共通するのは、素材を無駄にせず、家族の健康と幸せを願う心。沖縄の食卓には、“命どぅ宝(ぬちどぅたから)=命こそ宝”という言葉の精神が宿っています。

旅行で訪れる際は、ぜひ郷土料理を通して沖縄の文化や人の温かさを感じてみてください!

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この記事を書いた人

Nanase / 沖縄ナビ®編集部
Nanase / 沖縄ナビ®編集部
ふとしたきっかけから沖縄でゲームに没頭し、ポケモンカードの公式大会で2大会優勝。沖縄代表として全国大会に連続出場しています。
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