泡盛で使われる古酒(クース)って何?深まる味と香りについて徹底解説!

泡盛で使われる古酒(クース)って何?深まる味と香りについて徹底解説!

沖縄の伝統酒「泡盛」は、古くから沖縄県民、近年では観光客までも人気となっています。そんな泡盛には製作の過程や期間に応じて分類されており、なかでも古酒は味の違いが多く人気のある存在です。

本記事では、泡盛の古酒(クース)とは何か、その定義や新酒との違い、人気の理由を解説します。受け継がれてきた古酒の良さを知ってみましょう!

泡盛の古酒(クース)ってなに?

泡盛

泡盛の内で古酒(クース)と呼ばれるものは、3年以上寝かせ熟成させた泡盛のことを指します。「古酒=ただの古いお酒」と思われがちですが、泡盛の場合はしっかりと定義があり、長い年月をかけて熟成させることで、まろやかな口当たりと芳醇な香りがうまれます。

沖縄では古くから、「子どもの誕生祝いや結婚の記念に泡盛を寝かせ、節目の年に一緒に飲む」という習慣が残っており、古酒は”時と共に味わう特別な酒”として大切にされてきました。そんな文化背景もあり、古酒は単なるお酒でなく、「時の記憶を楽しむ泡盛」として愛されています。

泡盛の古酒の定義と条件

泡盛が「古酒」と呼ばれるためには、法律で定められた条件があります。泡盛業界では次のように定義されています。

・熟成年数:3年以上貯蔵された泡盛であること
・混合比率:容器内の泡盛のうち、3年以上熟成したものが全体の50%以上をしめること

つまり、少しでも3年未満の新酒が多く混ざると「古酒」とは名乗れない決まりとなっています。塾生には甕(かめ)やタンク、瓶などが使われ、貯蔵環境によっても風味が異なります。
温度や湿度、光の加減などが微妙に影響し、同じ銘柄でも熟成ごとに違う表現を見せるのが古酒の面白さです。

泡盛の古酒と新酒との違い

新酒の泡盛は、蒸留したての力強い香りと、キレのある味わいが特徴です。一方で古酒は、時間をかけてアルコールの角が取れ、まろやかで甘い香りが立ちます。琥珀色を帯びるものもあり、バニラやカラメルのような熟成香を楽しめるのも特徴です。

種類熟成年数味わいの特徴
新酒1年未満フレッシュで華やか、やや刺激的
古酒3年以上まろやかでコク深く、
香りに甘みや奥行きがある

このように、古酒の泡盛の完成形ともいえる存在で、新酒の力強さを味わったあとに古酒を飲むと、泡盛の奥深さを実感できるはずです。

泡盛を寝かせるとどう変わる?熟成の魅力

泡盛の壺

泡盛は寝かせることで、香りも味わいも驚くほど変化します。時間をかけて熟成させることでアルコールの刺激が和らぎ、まろやかで深みのある味わいへと変わっていくのです。この「時間が作り出す変化」こそが、古酒の最大の魅力といえるでしょう。

熟成による主な変化

・香りの変化
蒸留したての新酒はツンとした刺激がありますが、数年寝かせることでアルコールの角が取れ、甘くやわらかな香りに。バニラやカラメル、ナッツのような深い香りを帯び、まるでブランデーのような上品さを感じられます。

・味わいの変化
時間の経過とともにコクと旨みが増し、口当たりがとろりと滑らかに。まろやかで飲みやすく、古酒ならではの“ふくよかさ”が楽しめます。

・熟成年数による個性
3年古酒はまだ軽やかで若々しく、5年では香りと深みが増し、10年を超えると重厚で芳醇な味わいに。熟成環境や甕の違いでも風味が変わり、同じ銘柄でも異なる個性を楽しめます。

このように、古酒は寝かせる程に成長するお酒でその変化を味わうことは、時間を飲む体験とも言えます。

人気の泡盛古酒からおすすめ銘柄を紹介

泡盛は保存期間や製法によって古酒になる、と話してきましたが、古酒にも数多くの種類が販売されています。ここでは、初心者でも飲みやすいタイプから、通に人気の本格古酒、贈り物にピッタリなプレミアムボトルまで、ジャンルに分けて紹介していきます。

初心者におすすめの古酒3選

・久米島の久米仙 30度

久米島の久米仙 30度

久米仙の久米仙はクセが少なく、すっきり飲みやすい銘柄として初心者にオススメされています。
30度という度数も初診には取り組みやすく、割り材(炭酸・水)との相性も良好です。沖縄らしい泡盛を手軽に楽しみたい方にオススメです!

商品名久米島の久米仙 30度
内容量1,800ml
熟成期間5年
価格2,291円(税込)
URLhttps://shop.k-kumesen.biz/products/久米島の久米仙-30度

・菊之露 30度

菊之露 30度

菊之露は度数が25~30度が中心の取り扱いになっており、バランスが良く人気のある商品です。
宮古島の天然水を使っておりまろやかでコクがありながら飲みやすいと人気になっています。これ以外にも小さめのサイズもあり初心者にはおすすめです。

商品名菊之露 一升瓶 30度
内容量1,800ml
熟成期間7年
価格2,299円(税込)
URLhttps://kikunotsuyu.thebase.in/items/67479239

本格派に人気の古酒3選

・海乃邦 15年

海乃邦 15年

沖縄県酒造協同組合も紹介する「選び抜かれた原酒のみからつくられる逸品」です。
貯蔵・熟成にこだわった本格派で、風味・香り・コクともに豊かであり、贈答用や特な一本にふさわしい商品となっています。

商品名海乃邦15年 43度
内容量720ml
価格6,232円(税込)
熟成期間15年
URLhttps://www.awamori.or.jp/products/detail/97

・瑞泉「古酒40度」

瑞泉「古酒40度」

瑞泉「古酒40度」は熟成古酒の代表格として人気のある泡盛です。他にも10年などの長期熟成のタイプなど数多く取り扱っており、香り高く、ロックストレートでもじっくりと楽しめます。深みとまろやかさを味わいたい方はぜひ購入してみましょう。

商品名瑞泉「古酒40度」
内容量720 ml
価格2,200円(税込)
熟成期間10年
URLhttps://www.e-awamori.co.jp/product.php?id=2090

古酒 久遠 35度

古酒 久遠 35度

多良川 久遠は長期熟成による円熟味と香りの深さが魅力となっています。
味わい重視で、ゆっくり味わって飲むタイプの泡盛です。食事とともに、飲み終えた後も余韻を楽しめるため。記念品や贈り物としてもおすすめです。

商品名古酒 久遠 35度
内容量720ml
価格4,500円(税込)
熟成期間10年~
URLhttps://taragawa.shop/?pid=15040170

贈り物・プレミアム向け古酒

・長期熟成50年近くの古酒や、限定ラベル・高アルコール度数仕様の銘柄など、特別な日のプレゼントにふさわしい逸品も多数あります。例えば「海乃邦1977」などは希少性・風味ともに極めて高いと評価されています。

泡盛古酒の価格・価値

泡盛の古酒(クース)は、熟成年数・希少性・ブランドによって価格が大きく変わります。寝かせる時間が長いほど価値が上がる傾向にありますが、それにはしっかりとした理由があります。

①熟成年数と価格の関係
・3〜5年の古酒は数千円台、15年古酒で約1万円前後。
・20年以上の長期熟成品や限定ボトルでは、数万円〜数十万円台になることも。
・長期間の貯蔵には保管コストや品質管理の手間がかかるため、価格に反映されます。

②なぜ価格が上がるのか
・熟成コストと在庫リスク:寝かせる年数が長いほど、蔵元の保管コストやリスクが増加。
・希少性の高さ:生産量が少ない蔵元や離島酒造などは特に希少価値が上がる。
・味と香りの深まり:熟成中の化学変化で、甘くまろやかな香りと深いコクが生まれる。
・ブランド・限定性:製造年や蒸留年が明確な古酒、限定瓶詰めなどは付加価値が高い。

③コレクション・投資としての価値
・古酒は飲むだけでなく、「所有する喜び」も評価されています。
・特別仕様のボトルや長期熟成酒は、プレゼント・コレクション・オークション取引などでも高値がつくことがあります。

④選ぶ際のポイント
・熟成年数だけでなく、保存状態や蔵の信頼性もチェック。
・初心者はまず5〜10年程度の古酒から試して、風味の違いを感じるのがおすすめです。

自宅で泡盛の古酒を育てるには?

泡盛の魅力のひとつは、自宅でも古酒(クース)を育てられることです。
泡盛は蒸留酒のため腐ることがなく、保存環境を整えれば自分の手で熟成を進めることができます。
沖縄では昔から、結婚や子どもの誕生を記念して泡盛を寝かせ、「家族の歴史と共に熟成させる」文化が息づいています。
ここでは、家庭で古酒を育てるための基本ポイントと注意点、伝統的な「仕次ぎ(しつぎ)」の方法を紹介します。

家庭での保存・熟成のポイント

・保存場所: 直射日光を避け、温度変化の少ない場所が理想。押し入れや床下収納などが向いています。
・容器選び: 甕(かめ)や陶器が最適。呼吸する素材のため、微妙な酸化が進み味がまろやかになります。ガラス瓶でも保存可能ですが、長期熟成には陶器の方が風味が深まりやすいです。
・密閉性: 栓をしっかり閉め、アルコールの揮発を防ぎます。ラップや蝋で封を補強すると安心です。
・静置: 動かさず、湿度が安定した環境で保管。寝かせるほど味の角が取れ、香りが変化します。

保存時の注意点

・温度変化に注意: 高温多湿や直射日光は劣化の原因に。25℃前後を目安に安定させることが大切です。
・振動を避ける: 頻繁な移動や振動は熟成を妨げるため、置き場所を固定しましょう。
・定期的な確認: 液面が下がっていないか、栓のゆるみがないかを年に一度チェックします。
・混ぜすぎに注意: 違う銘柄や熟成年数を安易に混ぜると風味が崩れることもあります。

仕次ぎのやり方

「仕次ぎ」とは、古酒を飲んだ分だけ新しい泡盛を継ぎ足し、熟成を続ける沖縄独自の伝統方法です。

飲んで減った分を、新酒または若い古酒で補充する
継ぎ足す量は「古酒:新酒=7:3」程度が目安
新しい泡盛を入れた後はよくなじませ、1年ほど寝かせてから味を確かめます

この方法を繰り返すことで、自宅でも“自分だけの古酒”が育ちます。
時間とともに深まる味わいは、まさに「家族の記憶を刻む一杯」です。

沖縄で古酒を買うならここ!

注いだ泡盛

沖縄には、実際に蔵元での購入・見学ができる酒造所から、沖縄全域の古酒を豊富に揃える専門店・オンラインショップまで、古酒(クース)を手に入れられるスポットが豊富にあります。以下、おすすめの購入、体験スポットを紹介します。

・沖縄県内のスーパー
沖縄県内の各地スーパーでは常時種類豊富な泡盛を取り扱っています。流通価格で少し安く買い物ついでに買えるのが良い点です。主に普段用・お供え用・少しながらの贈り物用として購入されます。

・空港の店舗
那覇空港内では、沖縄らしい製品を取り扱っており、お土産に適した泡盛を購入できます。
また、飛行機搭乗前に購入でき、持ち帰りやすいサイズ、贈る用にも相応しい上品な泡盛が多くあります。

・泡盛販売を行っている居酒屋
店舗によっては泡盛に精通しており希少価値が高い泡盛も数多く取り扱っている居酒屋もあります。
実際に店舗で飲み、自分に合う銘柄を確かめながら購入できるため迷っていたり実際に楽しみたい方は訪れてみましょう。

・ネット通販
大手通販サイトでは、様々な種類の泡盛を購入できます。送料などで少し割高になってしまうものの、離島やレア物を購入できる可能性があります。また自宅からゆっくりと選ぶこともできるのっで購入したいが銘柄に迷っている方は一度調べてみましょう。

まとめ

泡盛の古酒(クース)は、単なるお酒ではなく、時間が生み出す芸術品です。
寝かせることで味わいが丸くなり、香りが深まり、まるで時を閉じ込めたような豊かさを感じられます。

沖縄では、古酒を「家族の歴史とともに育てる酒」として大切にしてきました。
その伝統は今も受け継がれ、自宅で古酒を育てたり、蔵元を訪れて熟成の香りを感じたりと、“泡盛を時間とともに楽しむ文化”が息づいています。これから泡盛を選ぶなら、ぜひ古酒にも目を向けてみてください。

一口飲むごとに、時間の流れが味わえる一杯が、あなたの特別な瞬間を彩ってくれるはずです。

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この記事を書いた人

Nanase / 沖縄ナビ®編集部
Nanase / 沖縄ナビ®編集部
ふとしたきっかけから沖縄でゲームに没頭し、ポケモンカードの公式大会で2大会優勝。沖縄代表として全国大会に連続出場しています。
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