
泡盛は健康にいい?糖質・カロリー・血栓溶解作用まで詳しく紹介

「お酒は楽しみたいけど、健康も大事にしたい」そんな人にぴったりなのが泡盛です。
泡盛は沖縄を代表する蒸留酒で、香り高く深みのある味わいが魅力ですが、実はその製造過程により「糖質がほぼゼロ」という特長があります。
糖質制限中の人や、日頃から血糖値の上昇を気にしている人にとっては、うれしいポイントですよね。
さらに、割り方を工夫すればカロリーの過剰摂取も防げて、健康的に楽しめます。
今回は、泡盛の糖質やカロリー、割り方による違い、さらに近年の研究で注目されている血栓への効果まで、健康面から見た泡盛の魅力を紹介していきます。
泡盛は糖質がほぼゼロ

泡盛は、その製造方法から糖質がほぼゼロであることが知られています。これはビールや日本酒と比べて大きな違いです。
ビールには麦芽由来の糖分、日本酒には米由来の糖質が含まれており、糖質制限をしている人にとっては注意が必要なお酒です。
一方、泡盛は黒麹菌を使って発酵させた後、蒸留という工程を経るため、糖分がほとんど除去されます。
結果として、完成した泡盛には糖質がほぼ含まれず、血糖値への影響も小さいと考えられています。これは糖尿病予備群の人や、食後の高血糖が気になる人にとってもうれしいポイントです。
割り材に注意?
ただし、これはあくまでも「泡盛そのもの」に限った話です。実際には、泡盛をストレートではなく、何かで割って飲む人も多いのではないでしょうか。
その割り材が、糖質の摂取量に大きく影響を与えることがあります。
たとえば、オレンジジュースやコーラ、甘いリキュールといった飲み物で割ると、1杯で10g以上の糖質を含む場合もあります。
糖質制限の観点からするとかなりの落とし穴になるので、カクテル風に泡盛を楽しむときは、気をつけておきましょう。
健康志向な人におすすめの割り方
では、健康志向の方が安心して楽しめるのはどんな割り方でしょうか。
以下で、糖質をほぼ増やさず、泡盛の味わいを活かせるおすすめの飲み方を紹介します。
- 水割り・ロック
もっともシンプルな飲み方で、泡盛本来の風味や個性をダイレクトに楽しむことができます。水で割ることでアルコール度数が和らぎ、飲みやすさが増す一方で、味わい深さはそのまま。ロックなら、氷が徐々に溶けていくことで味の変化も楽しめ、ゆっくり味わいたいときにぴったりです。 - お湯割り
お湯で割ると泡盛の香りが一層引き立ち、まろやかな口当たりになります。体を冷やしにくいため、寒い季節には特におすすめ。ふわっと立ち上る香りが心と体をほぐしてくれます。お湯は60℃前後にして、泡盛を後から注ぐと香りを損なわずに美味しく仕上がります。 - 無糖炭酸水割り
炭酸水で割れば、まるでハイボールのような爽快感ある飲み口に。糖質ゼロの炭酸水なら、カロリーや糖質を気にする必要もありません。口当たりが軽くなるため、食中酒としても飲みやすく、ビールの代わりに楽しむのもおすすめです。 - 炭酸水割+レモン
無糖の炭酸水にレモン果汁やスライスを加えるだけで、爽やかな香りと酸味が加わり、泡盛の風味がグッと引き立ちます。レモンのビタミンCも摂れるので、美容や健康を気にする方にも嬉しいポイント。揚げ物や肉料理と合わせれば、油っぽさが和らぎます。 - 無糖のお茶割り
緑茶やウーロン茶などのお茶割りは、後味がすっきりしていて、食事との相性も抜群です。特に脂っこい料理や濃い味付けのおつまみと合わせると、口の中がさっぱりします。お茶にもカロリーや糖質はほとんどないので、健康的な飲み方として人気です。
どの割り方でも共通していえるのは、無糖のものを選ぶことです。
最近はスーパーやコンビニでも“糖質ゼロ”や“無糖”と記載された炭酸水・お茶が簡単に手に入るため、ちょっと意識するだけで泡盛を健康的に楽しめます。
泡盛はカロリーに注意

糖質がゼロという特長だけを見ると、「泡盛なら太らない」「ダイエット中でも気にせず飲める」と思ってしまうかもしれません。
確かに、糖質の摂取量を減らすという観点から見ると、泡盛はビールや日本酒などの糖質を含むお酒に比べて理想的な選択肢といえます。
しかし、そこで忘れてはならないのが「カロリー」の問題です。泡盛は、蒸留酒の中でもアルコール度数が高めのお酒です。
一般的な泡盛は25〜30度程度ですが、長期熟成された古酒になると、アルコール度数が40度を超える場合もあります。
そして、アルコールには1グラムあたり約7キロカロリーのエネルギーがあります。
つまり、糖質がゼロであっても、アルコールそのものが高カロリーであるため、度数が高くなればなるほど、飲み物全体のカロリーも高くなっていきます。
泡盛のカロリーはどのくらい?
では、実際に泡盛のカロリーはどのくらいあるのでしょうか。アルコール度数ごとに、100mlあたりのおおよそのカロリーを見てみましょう。
アルコール度数 | カロリー(100mlあたり) |
---|---|
25度 | 約146 kcal |
30度 | 約175 kcal |
40度 | 約233 kcal |
この表を目安にすると、たとえば30度の泡盛をロックで1杯(約60ml)飲んだ場合、おおよそ105kcal前後ということになります。これは、おにぎり約半分、または市販のチョコレート1個分程度に相当するカロリーです。
健康的に楽しめる飲み方は?
このように、糖質はゼロでもカロリーは決して低くない泡盛。だからこそ、健康的に楽しむためには「飲む量をあらかじめ決めておくこと」がとても大切です。
一般的には、1日に1〜2杯程度(60〜90ml)を目安にすると、カロリーの摂取を抑えつつ、泡盛の香りや味わいを十分に楽しむことができます。
特に夜のリラックスタイムや食事のお供として嗜む場合には、量を意識するだけで随分と違ってきます。
また、注意したいのが、アルコールによる食欲増進効果です。アルコールを摂取すると胃腸の働きが活発になり、食欲が刺激されます。そのため、お酒と一緒に食べるおつまみの量がつい増えてしまいがちです。
さらに、アルコールによって理性が緩むことで、つい余計に食べてしまうことも。これが積み重なると、気づかないうちに摂取カロリーが大きく増えてしまう可能性があります。
泡盛には血栓を溶かす効果がある?

血栓とは、血液中の成分が固まってできる「血のかたまり」のことで、出血したときに傷口をふさぐ役割があり、止血には欠かせない存在です。
しかし、血管の中の不要な場所に血栓ができると、血流を妨げてしまいます。その結果、脳梗塞や心筋梗塞、肺塞栓症などの重大な病気を引き起こすリスクが高まります。
倉敷芸術科学大学 須見洋行名誉教授の研究によると、芋焼酎や泡盛には、血栓を溶かす働きを持つ酵素「t-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)」と「ウロキナーゼ」の分泌や、活性を高める可能性があることが示されました。
さらに興味深いのは、芋焼酎や泡盛を実際に飲まなくても、香りを嗅ぐだけで同様の効果が期待できるという報告です。
そんな作用が芋焼酎や泡盛にあるなら、お酒好きにとっては、なんとも嬉しい話ですね。
泡盛の健康 まとめ
泡盛は糖質がほとんど含まれず、割り方を工夫することでカロリーも抑えられる、健康志向の人にやさしいお酒です。
さらに、近年の研究では、泡盛や芋焼酎に含まれる成分が血栓の溶解に関わる酵素の働きを助ける可能性が示されており、健康へのプラス効果が期待されます。
香り豊かで、割り方によってさまざまな楽しみ方ができるのも、泡盛ならでは。まだ飲んだことがない人は、まずは炭酸水割りやお湯割りなど、シンプルなスタイルで楽しんでみてはいかがでしょうか。
泡盛は、健康を意識しながらも、自分のペースでお酒を楽しみたい人におすすめのお酒です。