
ハイサ〜イ!地域経済と賃金に詳しい沖縄ナビ編集部のパパスです!
沖縄県には毎年多くの方が移住されます。2023年には、転入者数が28,847人で、転出者数を上回っていて転入超過となるぐらい全国的にも転入者数の増加率がトップクラス!
一方で「沖縄って最低賃金はいくら?」「沖縄は他の県と比べて賃金高いの?安いの?」そんな声もちらほら聞こえてきます。
この記事では、沖縄県の最低賃金の時系列推移(1977〜2024年)、上昇率、全国・近隣県との比較、そして政府の今後の目標まで網羅して、給与に関わるあらゆる疑問を、信頼データをもとにわかりやすく解説します。
沖縄の最低賃金の推移(1977年〜2024年)
沖縄県の最低賃金は、1977年の261円から2024年に952円へと年々上昇しています。最新2024年度では、+56円(+6.3%)と、1997年以来最大の上昇幅となりました。
下図のように表として表現すると2010年以降から増加額も二桁台となり、全国一律1,500円に向けて突き進んでいる印象を持ちます。

直近3年間では、2022年+33円、2023年+43円、2024年+56円と推移しており、連続して大きな上昇が続き、沖縄県としても最低賃金引き上げに積極的に取り組んでいる状況が伺えます。
全国&九州・沖縄内での順位比較
全国の各都道府県で定められる地域別最低賃金を、都道府県ごとの労働者数を重みとして計算した平均値のことを【全国加重平均最低賃金】と言います。
都道府県別の賃金差を反映しつつ、全国の労働者の実態に即した数字なので、全国規模での最低賃金水準が経済活動や物価、人手不足などにどう影響するかを分析する際に使われます。
全国加重平均最低賃金と沖縄県の比較
2024年度の全国加重平均最低賃金は1,055円。物価上昇や労働力確保の必要性を背景に、近年大幅な引き上げが続いています。一方、沖縄県の最低賃金は952円(2024年10月9日〜)にとどまり、沖縄は全国平均より103円(約10%)で全国の中でも最低水準にあります。
都道府県別で最低賃金だけを比較した場合、全国順位(2025年7月現在)で全国42位となっています。
沖縄県の最低賃金(952円)と同額なのが岩手県、高知県、熊本県、宮崎県の4県。全国47位には秋田県(951円)となっています。
【九州・沖縄圏とも比較】
福岡 | 992円(+40円) |
佐賀 | 956円(+4円) |
長崎 | 953円(+1円) |
熊本 | 952円(同額) |
大分 | 954円(+2円) |
宮崎 | 952円(同額) |
鹿児島 | 953円(+1円) |
沖縄県 | 952円(熊本・宮崎と並び最下位) |
九州・沖縄圏で比較してみると福岡県が頭一つ抜けており、それ以外はほとんど変わらないのがわかります。当然ながら経済規模や労働市場、物価などの影響もありますが、すべての県でほぼ毎年最低賃金の引き上げは行われていて、観光産業で勢いのある沖縄県においても今後の増加率には期待したいところです。
なぜ沖縄の最低賃金は全国的に低めなのか?
沖縄県の最低賃金が全国と比べて低めなのは、以下のような複合的な要因によるものと言われています。
1.産業構造の違い
観光業やサービス業(宿泊・飲食・小売など)が経済の中心を占めていることから、業種特性上、全国的にも賃金水準が低めで、かつ非正規雇用の割合が高いため、全体として最低賃金が上がりにくい傾向があります。
2.生活コスト(物価水準)の違い
全国平均と比較すると、〝一部は安く、一部は高い〟というのが実態です。
総務省「家計調査」などから沖縄県那覇市の支出状況を見てみると、以下のような傾向が読み取れます。
- 住居費は全国平均より低い(賃貸の平均家賃が東京の半額以下)
- 食料品の価格はやや安め(地元産の野菜・果物は安価)
- 電気代やガソリン代は全国平均より高い
- 耐久消費財(家電など)は高め(物流コスト)
簡単にまとめると、
★沖縄で安く済む傾向にあるもの
・家賃・土地代(ただし那覇市中心部は近年上昇傾向)
・地元野菜や魚類(地場産中心なら)
・外食(定食屋や食堂文化が根強く、コスパ良い)
★沖縄で高くなりやすいもの
・ガソリン・電気・灯油などのエネルギーコスト
・本土から輸送される日用品・雑貨(紙製品、冷凍食品など)
・車社会のため、交通費(保険・維持費含め)も高めになりがち
3.中央最低賃金審議会の地域間バランス配慮
最低賃金は、厚生労働省の中央最低賃金審議会が全国をA~Cランク(経済力の高低)に分けて、引き上げ額の目安を提示しています。
沖縄県は令和6年7月25日時点の情報では、「Cランク(経済力が相対的に弱い地域)」に分類されており、各地方最低賃金審議会で、この内容を参考にしつつ、地域における賃金実態調査など検討し、地域別最低賃金額を決定しています。地域間のバランスを配慮している観点からも引き上げ幅が小さめに設定されがちとも言えます。
全国目標:すべての都道府県で1,000円超えとその意義
地域格差の是正に取り組むことは大きな意味があります。
これまで、最低賃金は都市部(東京・大阪など)と地方で200円以上の差があるときもありました。特に、最低賃金が1,000円未満の地域は、「地方で働くと生活が厳しい」→「若者が都市部に流出する」という人口流出の原因にもなり得ることから、1,000円超えは、地方でも一定水準の生活が可能な最低ラインの確保であることを意味しています。
政府は2025年までに全都道府県の最低賃金を 1,000円以上 にすることを目指しており、沖縄も当然その対象です。(2023年に最低賃金の全国平均が1004円になり初めて1000円を超え!)
沖縄でも継続的に5〜6%台の上昇率が続き、1,000円到達まであと一歩という状況です。
今後も、全国平均や周辺県との賃金格差が縮まることが期待されます。
まとめ:「最低賃金」は、沖縄の未来を映す鏡。
沖縄の最低賃金、その数字は、単なる“時給”ではなく県内で働くすべての人々の生活、そして企業の在り方までも映し出す鏡だと思っています。
その動向を正確に読み解くことは、住み暮らす方、働く人にも、雇う側にも不可欠な“経済リテラシー”といえます。
特に、観光・飲食・小売といった人手に支えられる産業が多い沖縄では、最低賃金の上昇が人件費に直結し、事業運営に大きな影響を及ぼしかねません。
ただ、それは同時に、「労働環境の質を高めるチャンス」でもあります!
○働く人にとっては
「自分の職場は最低賃金を上回っているか?」「昇給はどのタイミングか?」
こうした問いを持ち、声を上げることが、自分自身の生活を守る第一歩!
もし2025年や2026年に1,000円を突破すれば、生活の見通しやキャリア設計に明るい光が差す可能性も広がります。
○経営者にとっては
賃金水準の再考、業務効率化、そして国や県が提供する助成金や補助制度の最大活用が鍵。
「値上げしないと経営が厳しい」ではなく、「どうすれば価格を据え置いたまま人を守れるか」という視点こそ、持続可能な企業運営の本質になるかと思います!
最低賃金を“コスト”と捉えるか、“社会的責任”と見るかで、その先の未来は大きく変わります。
中小企業にとっては確かに負担かもしれません。ただそれは、より良い人材を育て、働き方の環境を整え、地域経済を一歩前へ進める「投資」でもあると思います。
パパスの見解は、沖縄の最低賃金は2025年に1,000円台へ突入すると見ています。(超えてほしい願い!として)
企業としては、アルバイトやパートの給与テーブルの見直しを始めるのもいいかもしれません。
働く方も賃金への理解を深める良いタイミングとして今一度自分自身の状況を振り返るのもいいかもしれません。
最低賃金は、未来の“あなたの暮らし”と“地域の姿”をつくるスタートライン!!
沖縄の次のステージに向けて、備えましょう!!
▲情報出典▲
沖縄の最低賃金推移(1977〜2024年)
https://career-research.mynavi.jp/column/20240726_83526/?utm_source=chatgpt.com
https://parttime00.com/saiteitingin/okinawa/?utm_source=chatgpt.com
全国・都道府県別最低賃金比較(2024年)
https://techcrew.co.jp/jinjicrew/blog/post-2120/?utm_source=chatgpt.com
政府の最低賃金全国1,000円計画