
沖縄県には41の市町村があり、地域ごとに人口規模や特徴は大きく異なります。
都市部に人が集まる一方で、離島では数百人規模の暮らしが営まれているなど、同じ県内でも人口分布には大きな差があります。
本記事では、2025年4月1日現在の最新データをもとに、沖縄の市町村別人口ランキングを一覧表でご紹介します。さらに、人口が多い都市の背景や、人口が少ない村の実情、今後の課題についても詳しく解説していきます。
沖縄の市町村別人口ランキング

2025年4月時点の沖縄県の最新人口データによると、市町村別人口ランキングは以下の表のようになっています。
人口ランキング第1位は那覇市(312,021人) です。続いて、沖縄市(141,346人)、うるま市(126,933人)、浦添市(114,803人)、宜野湾市(100,032人)が上位を占め、この 上位5市だけで県人口の約54%を占めています。
沖縄県 市町村別人口ランキング(2025年4月1日現在)
順位 | 市町村名 | 総人口(人) | 男性(人) | 女性(人) | 世帯数 |
1 | 那覇市 | 312,021 | 150,860 | 161,161 | 161,017 |
2 | 沖縄市 | 141,346 | 68,620 | 72,726 | 67,601 |
3 | うるま市 | 126,933 | 63,608 | 63,325 | 58,721 |
4 | 浦添市 | 114,803 | 55,643 | 59,160 | 54,199 |
5 | 宜野湾市 | 100,032 | 48,593 | 51,439 | 48,271 |
6 | 豊見城市 | 65,549 | 32,061 | 33,488 | 28,672 |
7 | 名護市 | 64,288 | 31,974 | 32,314 | 32,583 |
8 | 糸満市 | 61,898 | 31,460 | 30,438 | 28,754 |
9 | 宮古島市 | 54,956 | 27,898 | 27,058 | 30,471 |
10 | 石垣市 | 48,974 | 24,841 | 24,133 | 26,266 |
11 | 南城市 | 46,996 | 23,603 | 23,393 | 20,383 |
12 | 読谷村 | 42,345 | 20,713 | 21,632 | 18,319 |
13 | 南風原町 | 41,155 | 20,171 | 20,984 | 17,272 |
14 | 西原町 | 35,335 | 17,811 | 17,524 | 15,854 |
15 | 八重瀬町 | 33,298 | 16,587 | 16,711 | 13,718 |
16 | 北谷町 | 29,172 | 13,761 | 15,411 | 13,381 |
17 | 中城村 | 22,624 | 11,232 | 11,392 | 9,815 |
18 | 与那原町 | 19,798 | 9,669 | 10,129 | 8,995 |
19 | 北中城村 | 17,871 | 8,574 | 9,297 | 7,865 |
20 | 嘉手納町 | 12,901 | 6,233 | 6,668 | 5,639 |
21 | 本部町 | 12,883 | 6,562 | 6,321 | 6,756 |
22 | 金武町 | 11,478 | 5,768 | 5,710 | 5,737 |
23 | 恩納村 | 11,264 | 5,767 | 5,497 | 6,127 |
24 | 今帰仁村 | 9,230 | 4,744 | 4,486 | 4,600 |
25 | 久米島町 | 7,025 | 3,755 | 3,270 | 3,908 |
26 | 宜野座村 | 6,519 | 3,269 | 3,250 | 2,890 |
27 | 国頭村 | 4,428 | 2,312 | 2,116 | 2,373 |
28 | 伊江村 | 4,204 | 2,180 | 2,024 | 2,234 |
29 | 竹富町 | 4,194 | 2,229 | 1,965 | 2,541 |
30 | 大宜味村 | 2,925 | 1,560 | 1,365 | 1,706 |
31 | 東村 | 1,672 | 920 | 752 | 924 |
32 | 与那国町 | 1,658 | 961 | 697 | 1,022 |
33 | 伊是名村 | 1,226 | 687 | 539 | 726 |
34 | 南大東村 | 1,204 | 708 | 496 | 711 |
35 | 伊平屋村 | 1,180 | 653 | 527 | 626 |
36 | 多良間村 | 1,037 | 578 | 459 | 543 |
37 | 座間味村 | 836 | 456 | 380 | 527 |
38 | 粟国村 | 673 | 373 | 300 | 433 |
39 | 渡嘉敷村 | 630 | 348 | 282 | 398 |
40 | 北大東村 | 547 | 328 | 219 | 321 |
41 | 渡名喜村 | 270 | 163 | 107 | 194 |
出典: 国土交通省国土地理院「市区町村別 人口・世帯数」(2025年4月調査)
人口が多い市町村の特徴と背景

沖縄県の人口は那覇市を中心とした中南部地域に集中しています。那覇市が県全体の中枢機能を担う一方で、沖縄市・うるま市・浦添市・宜野湾市といった周辺都市が人口集積を支えています。
那覇市 中心都市としての役割
那覇市は、県庁や主要官公庁、企業本社が集中し、沖縄県の政治・経済・文化の中枢として圧倒的な存在感を放っています。商業面でも、国際通りや新都心エリアをはじめとした大規模商業地が形成されており、商業の中心地でもあります。
また、国内外を結ぶ那覇空港があり、観光や物流のゲートウェイとして機能しているほか、モノレール「ゆいレール」が那覇市内と隣接自治体を結んでいます。これにより、県内の人口や経済活動が自然と那覇市へと引き寄せられる構造ができあがっています。
一方で、人口集中による課題も深刻化しています。慢性的な交通渋滞、住宅価格や地価の高騰、過密都市特有の生活環境の悪化などが拡大している状況です。特に中心部では、隣接する郊外への人口流出が見られ、都市の「再編」が課題となっています。
周辺都市(沖縄市・うるま市・浦添市・宜野湾市)の役割と成長
那覇市に次ぐ規模を誇る沖縄市(141,346人)、うるま市(126,933人)、浦添市(114,803人)、宜野湾市(100,032人)は、県内の人口分布において極めて大きな比重を占めています。これら4市と那覇市を合わせると、県全体の人口の過半数を抱える巨大な都市圏を形成しており、沖縄の社会・経済構造を支える「柱」となっています。
- 沖縄市
中部の文化・商業拠点として独自の存在感を発揮しています。音楽やイベントが盛んで、エンターテインメント都市としての側面を持つと同時に、米軍基地経済とも深く関わっています。 - うるま市
住宅地が多くファミリー層に人気です。近年では工業団地や研究施設の立地が進み、住宅都市から産業都市へと機能を拡張しています。 - 浦添市
那覇市に隣接する地理的条件を生かし、典型的なベッドタウンとして発展してきました。住宅開発とともに大学や大型商業施設も立地し、居住と生活のバランスが取れた都市として安定した成長を遂げています。 - 宜野湾市
大学や商業施設が多く集まり、教育・研究・商業の中核を担う都市です。同時に、米軍普天間基地を抱えており、その存在が経済と都市開発に強い影響を与えています。
これらの都市は、それぞれが独自の機能や役割を持ちながらも、全体としては那覇市を取り巻く都市圏として機能しています。那覇市の過密化を吸収するベッドタウン的な側面と、それぞれが地域拠点として発展する側面の両方を併せ持っています。
人口が少ない市町村の特徴と背景

沖縄県には、那覇市や沖縄市のように多くの人が集まる都市部がある一方で、人口が数百人規模にとどまる小さな村も存在します。代表例として挙げられるのが渡名喜村、北大東村、南大東村といった離島の自治体です。
これらの地域は、本島から離れた場所にあり、船や飛行機を使わなければ行き来できません。そのため交通の便が限られ、生活コストが高くなる傾向があります。
人口規模は小さいものの、住民同士の結びつきが強く、地域コミュニティがしっかりと根付いているのが特徴です。産業は農業や漁業が中心で、近年では観光資源を活かした経済活動も盛んになりつつあります。
しかしながら、こうした小規模自治体は少子高齢化や都市部への人口流出の影響を大きく受けています。特に若者は進学や就職のために県外や本島の都市部へ移動するケースが多く、残された地域では高齢化が進行しやすい状況にあります。
結果として、人口減少が加速し、持続的な地域運営に課題を抱えるケースも少なくありません。
沖縄の市町村人口ランキングからわかること

2025年4月時点の人口ランキングから、沖縄県の人口分布には明確な特徴が浮き彫りになっています。
最も顕著なのは、那覇市を中心とした中南部への極度な人口集中です。上位5市(那覇市、沖縄市、うるま市、浦添市、宜野湾市)だけで県人口の54%を占めています。一方で、1位の那覇市(312,021人)と最下位の渡名喜村(270人)では1,155倍もの人口格差があり、同じ県内でも極端な二極化が進んでいます。
この背景には、沖縄県特有の地理的制約があります。本島中南部に都市機能が集約される一方で、離島部では交通アクセスの制約により人口維持が困難な状況です。石垣市や宮古島市といった離島の中核都市でも、本島の中規模都市と比べて人口規模に限界が見られます。
人口上位の都市圏では過密化による都市問題が深刻化し、下位の小規模自治体では人口減少と高齢化が加速しています。特に人口1,000人未満の6村では、持続的な地域運営が大きな課題となっています。
沖縄県の人口分布は、島嶼県という地理的制約の中で全国的な都市集中・地方過疎の課題がより先鋭化した形と言えます。今後は中南部都市圏の機能分散と広域連携、離島・僻地の特色を活かした持続可能な地域づくりが重要なテーマとなるでしょう。