
沖縄への移住を考えるとき、「支援金や補助金はもらえるの?」は多くの人が最初に気になるポイントではないでしょうか。
結論からいうと、沖縄にも移住で使える支援金はあります。ただし「県が全域で配る手厚い制度」ではなく、国の制度を使った対象市町村限定の移住支援金と、市町村ごとの独自支援の2本立てが基本です。
この記事では、2026年7月時点の情報をもとに、沖縄の移住支援金・補助金をわかりやすく整理します。
この記事のポイント
- 沖縄の移住支援金は「国の移住支援金(東京圏対象・5市村限定)」と「市町村独自の移住定住支援」の2種類に大きく分かれます。
- 国の移住支援金は、2人以上の世帯で100万円・単身で60万円。18歳未満の子ども1人につき最大100万円が加算されます。
- 令和8年度の対象市町村は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5つで、那覇市や宮古島市などは原則対象外です。
- 市町村独自では、空き家改修・引越し費用・住宅取得などの補助を用意する自治体があります。
- 石垣市・宮古島市には、保育士として移住する人向けの補助があります。
- 金額・条件・実施市町村は年度ごとに変わるため、申請前に必ず県や各市町村の公式窓口で確認しましょう。
沖縄の移住支援金は大きく2種類
移住先を調べていると「支援金」という言葉はよく見かけるものの、実際のところどうなのかよく分からない、と感じた方もいるのではないでしょうか。沖縄で「移住支援金」と呼ばれるものは、大きく次の2つに分かれます。
| 種類 | 主な内容 | 対象・特徴 |
|---|---|---|
| 【1】国の移住支援金(地方創生) | 世帯100万円・単身60万円+子ども加算 | 東京圏から対象5市村へ移住+就業等の要件 |
| 【2】市町村独自の移住・定住支援 | 空き家改修・引越し・住宅取得など | 市町村ごとに金額・条件が異なる |
【1】は金額が大きい反面、対象エリアと要件が厳しめです。
【2】は金額こそ数万〜数十万円が中心ですが、要件が比較的ゆるく、幅広い移住者が使える可能性があります。
なお、「沖縄には移住補助金がない」と紹介されることもありますが、これは正確ではありません。秋田県などのように県全域を対象にした県独自の手厚い制度はないものの、国の移住支援金や市町村の独自制度は使えます。
まずは【1】の対象かを確認し、対象外なら【2】を中心に探すのが基本の流れです。
【最大300万円超】沖縄で使える移住支援金とは
国の移住支援金は、東京一極集中の是正と地方の担い手確保を目的とした国の制度を、沖縄県と市町村が実施しているものです。東京23区から沖縄の対象市町村へ移住し、一定の就業などの要件を満たすと、移住先の市町村から支援金が交付されます。
支給額は世帯100万円・単身60万円+子ども加算
支給額は世帯の人数によって決まり、子どもがいるとさらに加算されます。
| 区分 | 支給額 |
|---|---|
| 2人以上の世帯 | 100万円 |
| 単身 | 60万円 |
| 18歳未満の子どもの加算 | 1人につき最大100万円 |
たとえば夫婦+子ども2人で移住した場合、100万円+(最大100万円×2)で、子どもの数によっては総額300万円を超えることもあります。ただし子ども加算の額は市町村の設定によります。
なお、この支援金は税法上「一時所得」に該当し、確定申告が必要になる場合があります。
対象は令和8年度は5市町村(石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村)
最大の注意点は、この制度を実施しているのが県内全41市町村ではなく、年度ごとに指定された市町村に限られることです。
沖縄県公式によると、令和8年度(2026年度)の実施市町村は、石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村の5つです(令和8年4月1日時点)。
つまり、那覇市・浦添市などの本島中南部や、人気の宮古島市は原則として対象外。国の移住支援金を使うなら、本島北部や離島・過疎地域への移住が前提になります。
対象市町村は毎年見直されるため、移住前に必ず最新情報を確認してください。
主な要件
対象になるのは、おおまかに次のような人です。
- 東京23区内に一定期間住んでいた(または東京圏から23区へ通勤していた)
- 対象の5市町村へ移住し、5年以上住み続ける意思がある
- 就業・起業・テレワーク・関係人口のいずれかの条件を満たす
このほかにも世帯や在留資格などの条件があり、要件は細かく決まっています。対象かどうかは、必ず公式ページと移住先の市町村で確認してください。
参考:沖縄県公式ホームページ|【東京圏から移住をお考えの皆様へ】移住支援金制度のご案内!
申請の流れと注意点
申請は、移住先の市町村の窓口へ、転入後1年以内に行います。必要書類や年度内に受け付けられる件数の上限は市町村で異なるため、移住前の事前相談が欠かせません。
特に注意したいのが返還規定です。沖縄県公式によると、次の場合は支援金の返還が必要になります。
- 全額返還:虚偽の申請、申請日から3年未満での転出、就業要件を満たす職を1年以内に辞めた場合、起業支援金の交付決定が取り消された場合など。
- 半額返還:申請日から3年以上5年以内に転出した場合(倒産・災害・病気などやむを得ない事情があると県・市町村が認めた場合を除く)。
「まず住んでみて、合わなければ戻ろう」という短期の移住には向きません。腰を据えた移住を前提に検討しましょう。
【市町村別一覧】市町村独自の移住・定住支援
国の移住支援金の対象外でも、市町村が独自に用意している支援を使える場合があります。ここでは金額や要件が確認できる代表的な制度を紹介したうえで、エリア別に一覧でまとめます。
【南城市】知念地域移住定住支援補助金
知念地域移住定住支援補助金は、本島南部・南城市の旧知念村エリアへ移住する人向けの補助金です。
| 区分 | 補助額 |
|---|---|
| 新築・改築・購入費用 | 上限50万円 |
| 引越費用(上記がない場合/県外から) | 10万円 |
| 引越費用(上記がない場合/県内から) | 5万円 |
対象は、申請日時点で満40歳に到達して最初の3月31日までにある方、または18歳以下の子どもと同居する世帯などで、転入から1年以内・自治会加入・世帯全員のマイナンバーカード取得などが条件です。さらに、対象者はフラット35の借入金利を当初5年間0.25%引き下げる優遇も受けられます。
参考:南城市役所|【補助制度】知念地域 移住定住支援補助金について
【うるま市】島しょ地域空き家改修補助金
島しょ地域空き家改修補助金は、うるま市の島しょ地域5島(平安座島・宮城島・伊計島・浜比嘉島・津堅島)で、空き家バンク登録物件を改修して移住・定住する人などが対象です。空き家を買う人・借りて住む人のほか、貸す側の所有者も対象になります。
補助額は改修工事費の2分の1・上限50万円。改修後5年以上の移住・定住・賃貸の意思があることなどが条件です。年度ごとの募集のため、令和8年度の実施状況は市へご確認ください。
参考:うるま市公式ホームページ|うるま市島しょ地域空き家改修補助金について
【嘉手納町】定住促進事業(新築住宅等取得補助・建物除却補助)
嘉手納町では、町内で新築住宅などを取得して定住する人に補助金を交付しています。
新築住宅等取得補助金は1戸あたり100万円。あわせて、対象住宅を建てるために古い建物を解体する場合、除却費用の2分の1・上限50万円の建物除却補助金も受けられます。
居住開始から5年以上定住することなどが条件で、令和7年4月1日〜令和9年3月31日までに取得・居住開始した人が対象です。
参考:嘉手納町公式ホームページ|嘉手納町定住促進事業 ≪ 新築・建物除却補助 ≫のお知らせ
【宮古島市】保育士就労渡航費等補助金
宮古島市には、一般の移住者向けの独自支援金はありませんが、保育士として移住する人に向けた補助があります。
市外に住む保育士資格をもつ人が宮古島市へ転入して市内の認可保育施設などに就労する場合に、渡航費や引越費用を補助する制度です。
補助額は県内・県外いずれも10万円以内。転入前に内定を受けていること、週20時間以上の新規雇用であること、採用日から2年以上勤務する意思があることなどが条件です。
参考:宮古島市ホームページ|宮古島市保育士就労渡航費等補助金交付事業
【石垣市】島外保育士誘致支援事業補助金
石垣市にも、保育士として移住する人に向けた補助があります。
市外に住む保育士が、石垣市内の保育施設などに就職するために転居してくる場合に、移動費用や生活準備費用を補助する制度です。補助額は、県外からの転居で50万円、県内からの転居で40万円。採用時60歳未満、転居前に就職が決まっていること、市内の保育施設等で週30時間以上かつ2年以上勤務することなどが条件です(ただし竹富町在住者は対象外)。
令和8年度は令和8年4月1日〜令和9年2月28日が申請期間です。予算の上限に達し次第、締め切られます。
沖縄移住の支援金に関するよくある質問
国の移住支援金は、令和8年度は石垣市・国頭村・東村・本部町・伊江村が対象で、那覇市・宮古島市は原則対象外です。
移住先の市町村の窓口へ、転入後1年以内に申請します。必要書類や受付件数の上限は市町村で異なるため、移住前の事前相談がおすすめです。
対象になり得ます。自己の意思による移住で、移住元の仕事を移住先で週20時間以上テレワークにより続けるなどの要件を満たせば、国の移住支援金の対象になります。
国の移住支援金は、申請日から3年未満で転出すると全額、3年以上5年以内だと半額の返還が原則必要です(倒産・災害・病気などやむを得ない事情があると認められた場合を除く)。
まとめ
沖縄の移住支援金は、国の移住支援金(東京圏から対象5市町村へ・子どもの数によっては総額300万円超)と、市町村独自の移住・定住支援の2本立てが基本です。
県全域を対象にした手厚い制度こそないものの、南城市や嘉手納町のように住宅取得や引越し費用を補助する市町村や、うるま市のように空き家の改修費を補助する市町村があります。また、石垣市や宮古島市には、保育士として移住する人向けの補助もあります。
金額や対象は年度ごとに変わります。移住を決める前に、沖縄県と移住先の市町村の公式窓口で最新情報を確認しましょう。使える制度を上手に活用して、沖縄での新しい暮らしを実現してください。
2026.7.28

